『ブレイクスルーへの思考』と『つながる脳科学』で知の広大さと深遠さを堪能する

書評総合



ブレイクスルーへの思考: 東大先端研が実践する発想のマネジメント

作者:
出版社:東京大学出版会
発売日:2016-12-28











東大の異端児的存在である東京大学先端科学技術研究センター(先端研)に所属する11名の研究者へのインタビュー集だ。「これまでの大学の殻を破るまったく新しい研究機関」として設立された先端研だけあって、インタビュイーの研究分野は多岐にわたる。ある者は情報と社会の関わり方のあるべき姿を語り、ある者は産学連携を推し進めるために必要となる科学者の姿を説き、またある者は障害者自身が主体となって障害について研究を進める「当事者研究分野」がどうのようなものかを自身の半生とともに示す。縦横無尽に展開されるさまざまな分野の話にも読者がおいていかれることなく、研究の最前線の知的興奮を堪能できるのは、先端研の所長がインタビュアーとなり、研究者たちの言葉を分かりやすくわたしたちの社会と関わりのある形に翻訳しているからだろう。
生物学でのシミュレーションシステム開発には1つの大きな潮流がある。それは、軍や政府ではなく、民生用のシステムが研究の最前線で大きな役割を果たしているということだ。児玉龍彦教授によると、日本の製薬企業のほとんどが「シュレーディンガー」という会社の販売するシステムを創薬研究に使用しているという。この会社にはビル・ゲイツも出資しており、会社名と同名の化学シミュレーション・ソフトウェアを販売している。営利企業たるシュレーディンガーはその機械、アルゴリズムを全

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