今井宏平『トルコ現代史』(中公新書) 7点

書評総合
 シリア内戦、ISの台頭とISの引き起こすテロ、ヨーロッパの流れこむ大量の難民、こうした問題が中東とヨーロッパで起こっていますが、その中東とヨーロッパをつなぐ存在であり、またこれらの問題のキープレーヤーでもあるのがトルコ。 この本はそんなトルコの共和国建国から現在にいたるまでの歴史を辿った本です。トルコの政治家といってもムスタファ・ケマルと現在のエルドアンくらいしか思い出せない人も多いと思いますが、そのケマルとエルドアンの間を埋めることで、現在のトルコが抱える内政・外交上の問題が見えてきます。 目次は以下の通り。基本的にまずは内政について述べ、ついでその時代の外交をまとめるという構成になっています。序章 トルコはいま、何を目指しているのか第1章 トルコ共和国の国家建設第2章 複数政党制下における混乱第3章 冷戦期のトルコ外交第4章 トゥルグット・オザルの時代第5章 迷走する第三共和政第6章 公正発展党の台頭とその政権運営第7章 安定を模索する公正発展党第8章 トルコと日本の関係終章 建国一〇〇周年を見据えて 第一次世界大戦において同盟側だったオスマン帝国は、戦後の1920年に結ばれたセーヴル条約によって完全に解体されようとしていました。 そんな中でトルコを守るために立ち上がったのが建国の父・ムスタファ・ケマルです。彼はアナトリアからギリシャ軍を駆逐し、ローザンヌ条約によってトルコの独立を認めさせ、初代の大統領となりました。 そのケマルが打ち出したのが、「共和主義」、「民族主義」、「人民主義」、「国家資本主義」、「世俗主義」、「革命主義」という6本の矢でした。 ケマルはこの理念の

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