『火あぶりにされたサンタクロース』12月25日の知的興奮

書評総合



火あぶりにされたサンタクロース

作者:クロード・レヴィ=ストロース 翻訳:中沢 新一
出版社:KADOKAWA
発売日:2016-11-25












サンタクロースが、昨日午後、ディジョン大聖堂の鉄格子に吊るされたあと、大聖堂前の広場において人々の見守るなか火刑に処された。この派手な処刑は、教区若者組に所属する多数の子供たちの門前でおこなわれたのである。この刑の執行は、サンタクロースを教会の横領者にして異端者として<有罪>の判決を下した聖職者の同意のもとに決定された。

サンタクロースはキリストの降誕祭を異教化し、鳩のようにおとなしそうな顔をしながら教会のなかに居座って、ますます大きな顔をするようになったとして非難されたのである。

これは虚構のニュースではない。まるで虚構新聞の記事のようだが。1951年のクリスマス・イブにフランスで起こった事件であり、その日のうちに全国に報道された。この事件にふれなかった新聞はひとつもなかった。
しかし、問題の核心に触れ、正面からそれに答えようとした新聞はなかった。サンタクロースの実在を信じることはいいことだ、サンタクロースがなぜ子供たちに人気があるのか、子供の頃のサンタクロースはいい思い出になるだとか、本質から逸れた感傷たっぷりな記事が溢れた。
そんな生ぬるい議論が飛び交う中で、世論と教会の間に生じた亀裂へ深く切り込んだのが、クロード・レヴィ=ストロースだった。
事件の翌年、雑誌『レ・タン・モデルヌ(現代)』に論考を発表し

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