『ルポ 児童相談所 一時保護所から考える子ども支援』まずは知ること、当事者の声を知るための第一歩

書評総合



ルポ 児童相談所 一時保護所から考える子ども支援
(ちくま新書1233)

作者:慎 泰俊
出版社:筑摩書房
発売日:2017-01-05












陰惨としか言いようのないような児童虐待事件が報道されるのをみるとき、なんとひどい親がいるものかと怒り呆れる。実の父に、母に、あるいは実父母のパートナーに、殴られ、閉じ込められ、飢えさせられ、亡くなる子どもたち。性的虐待に心身ともに深く深く傷つけられた子どもたち。なんとかならないものなのかと誰しもが思うだろう。
中には周囲の人々が子どもの危険を察知していたという事例もある。とくに児童相談所に通報がなされていたにもかかわらず、手をこまねいている間に取り返しのつかないことになったという話をきくと、何を生ぬるいことをやっているのかと思う。そんな虐待をするような親の親権など構わないから、まずは虐待する親から子どもを取り上げて、危険から守るべきだと。
こうした社会の声に押され、応えるように、虐待が疑われる家庭への行政の介入は強化されてきた。かつては虐待をする保護者自身も問題を抱えているのであり、そこへの共感をベースにしつつ家族の育児能力を再生させることへの援助を基本とするアプローチがとられていた。が、それが後手に回ることによる取り返しのつかない事例を踏まえて、今はまず入り口のところで「家族から子どもを分離するべきかどうか」を判断することから始まるようになったという。そうすることで実際、救われた命もあるに違いない。
が、たとえ家族

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