『上皇と法皇の歴史: 仙洞年代記』(八木書店出版部) – 著者: 槇 道雄 – 槇 道雄による自著解説

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『上皇と法皇の歴史: 仙洞年代記』(八木書店出版部)著者:槇 道雄
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院政時代に限らず、歴代上皇・法皇の歴史や院政形態の全体像をわかりやすく解説した年代記を発刊。著者がその読みどころを紹介。
なぜ「天皇」の読み仮名は「てんのう」なのか?
今日、「天皇」を「てんこう」と読むことは通常ありえない。なぜならば、マスコミなどを通して、あらゆる機会に「天皇」は「てんのう」と読まれているからであり、すでに常識となっていることによる。ただし、「てんのう」と読む理由は何であろうか。おそらく、単なる音便の変化とは考えにくく、宮崎市定氏が指摘されているように、今日「天皇」と呼称される「あまつひつぎ」(天日嗣)の「みこと」(尊・命)を、かつて「天王」(あまつきみ)と表記したことがあったためであろう。「天皇」の語句は、隋・唐との外交上の必要から使用が始まったものであり、それは和語ではなく音読みの造語であったために、日本では当初ほとんど使用されない語句であったらしい。そのため、「太上天皇」(「上皇」の正式名称)の語句も、当初は一般的ではなかったのであろう。 
歴代天皇を院号で呼称した時代が900年以上存続
隋・唐王朝との外交上において対等関係を標榜するために案出された天皇号は、その必要が消滅してしまえば、それほどの不要もなくなったらしい。もともと多くの人々にとって、「てんのう」という外来語的な音読みにはなじみがなく、「みかど」(御門)や「おかみ」、改まった場合でも「しゅじょう」(主上)などの呼称が好まれていたことは、古典でも周知のとおりである。

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