『中世の身体: 生活・宗教・死』(青土社) – 著者: ジャック・ハートネル – 小池 寿子による解説

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『中世の身体: 生活・宗教・死』(青土社)著者:ジャック・ハートネル
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かつては「暗黒時代」と捉えられてきたヨーロッパ中世。しかし近年、従来のイメージを覆す研究が次々に発表され、にわかに注目を集めています。ジャック・ハートネル著『中世の身体――生活・宗教・死』は、美術品や日用品の豊富な図版とともに、「身体」から中世人の生活に迫る一冊です。本書から、小池寿子さんによる解説を特別公開します。 
魅惑のラビリンス――中世の身体小池寿子
ヨーロッパ中世に関する書物が数多く出版され、密かな中世ブームとなって久しい。中世の歴史を詳らかに綴った書はむろん、中世ヨーロッパの「祝祭」「生活誌」「服装」「騎士」「城」「都市」「農村」「夢」など具体的なテーマを扱う著作や、中世を生きる人々の心性に迫る書など、タイトルを見るだけでいかに多様なアプローチがこころみられているか分かる。中世を生きた人々はすでに死者であり、その生死のあり方を通じて中世世界のみならず、「今」「現代」を生きる我々への問いかけを行う書もある。私自身『死者のいる中世』という本を出してからすでに三〇年弱の歳月を経た。同書は、「私」がヨーロッパの旅を通じて中世を彷徨するという語りで綴り、連綿と引き継がれる生のなりわいを紐解こうとする試みであったが、今もなお、私にとって中世の魅力は薄れることはない。何故か?まさにそれは、中世史研究の碩学ジャック・ル・ゴフが『中世とは何か』という書で問いかけているように、この古代ローマと近世の中間と位置づけられた暗黒のイメージつきまとう「中世」が、未

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