『どんぐり喰い』(福音館書店) – 著者: エルス・ペルフロム – 野坂 悦子による書評

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『どんぐり喰い』(福音館書店)著者:エルス・ペルフロム
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『どんぐり喰い』は、内戦終結から間もないスペイン・アンダルシア地方で、貧しくも誇り高く生きる少年の8年間を描いた物語。作者のエルス・ペルフロムさんは、本作で、オランダの児童文学の中で最も優れた作品に贈られる「金の石筆賞」を受賞しました。邦訳版の刊行を記念して、訳者の野坂悦子さんに、遠く異国の地の記憶を日本の読者に届ける難しさと、翻訳を通して言葉を創る喜びについて語っていただきました。 
言葉の奥から聞こえる声野坂悦子
今回、私が訳した『どんぐり喰い』は、スペインのアンダルシアが舞台です。貧富の差も極端なら、暑さと寒さの差も極端なその地方で暮らす、貧しい少年クロの労働と成長の日々を描いています。オランダ人の作家エルス・ペルフロムが、スペイン人の夫の少年時代をオランダ語で書き起こした物語であり、エピソードはすべて本当にあったできごと。スペインとはあまり縁のない私がこの本を訳してよいものか、迷う部分もありました。でもクロの生きた時代、スペイン内戦がフランコの勝利に終わってまもなくのアンダルシアに行くことは、誰にもできません。だったら私がその世界を日本語で創るほかないと、腹をくくりました。とはいえ翻訳を始めると、自分は昔からアンダルシアを少し知っていたことに気がつきました――フェデリコ・ガルシア・ロルカの詩を通して。スペイン内戦が始まった1936年、フランコ将軍率いる反乱軍は、民衆に深く愛されたこの詩人を処刑しました。『どんぐり喰い』でも、老人が16歳のクロに、ロルカが

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