『映画の生体解剖~恐怖と恍惚のシネマガイド~』(洋泉社) – 著者: 稲生 平太郎,高橋 洋 – 柳下 毅一郎による書評

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『映画の生体解剖~恐怖と恍惚のシネマガイド~』(洋泉社)著者:稲生 平太郎,高橋 洋
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稲生平太郎と高橋洋が用意した手術台に横たわる、映画という装置
映画というものは、ごくまれに、現実を乗り越える瞬間を呼び込むことができる。あなたは映画に何を求めているのだろう? 安心して楽しめる娯楽だろうか? なじんだ世界で起きる予定調和のストーリーだろうか? だったら、あなたはこの本を読む必要はない。この本は映画にもっと不穏なものを求めている人のためのものだ。これまで見たこともないものを見て驚きたい人、見慣れたはずの世界が突然見知らぬものに変容する恐怖を求めている人、映画の向こう側から何かがこちらに侵入してくる瞬間を待っている人……あなたは光を見るだろう。映画という存在を一変させてしまう光を。 そう、映画には光がある、と高橋洋と稲生平太郎の2人は語る。この異色の顔合わせによる対談では、映画に対するまったく新しい見方が語られる。いや、たぶん誰もが知っているのだが、言葉にしたことがなかった内容が言語化されるのだ。たとえば世の中には手術台映画というものがある。映画に手術台が登場し、そこに誰かが横たえられるとき、映画の中では何かとてつもないことが起こる。それは映画の根源に触れることなのかもしれない。あるいは、世の中には沼地映画というジャンルがあり、画面に水が出てくると映画は異様な光を放ちはじめる。それとも光はどうだろう? 映画の中で放電現象が起きるとき、その光はときにこの世ならざる輝きを帯びる。画面に生まれる裂け目の向こう

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