「漱石先生ぞな、もし」半藤 一利

ビジネス書の書評と感想


【私の評価】★★★★★(92点)

要約と感想レビュー
 自称、夏目漱石読み、歴史探偵という著者の半藤 一利さんは、漱石の孫を妻に迎えました。義母の話も織り交ぜながらの、漱石探偵ぶりがおもしろい。小説は知っていることしたかけませんから、漱石の書籍を読んでいると、漱石の趣味、志向、好き嫌い、思いが想像できるのです。

 「坊っちゃん」の登場人物もモデルがいるし、坊っちゃんの江戸っ子ぶりも漱石らしい。教師として赴任していた四国松山の伊予弁「ぞなもし」を交えながら、義理と人情が大好きなのが漱石なのです。四国の松山では、夏目漱石が二階、正岡子規が一階に住んでいたという。夏目漱石は2千以上の俳句を残しているのは正岡子規の影響なのでしょう。

・胃弱の腹に三椀の餅(p153)

 面白いのは、漱石の徴兵忌避でしょう。徴兵令が明治22年に改正されて、27歳以上の学生も徴兵されることになったとき、漱石は帝国大学在学中で26歳でした。漱石は徴兵の対象外であった北海道に籍を移すのですが、これは兄の配慮で漱石の意思とかかわりなく行われたらしいのです。その後、夏目漱石はイギリス留学中にノイローゼとなります。その頃の日本といえば日英同盟を締結し、日露戦争へ突き進んでいく時代なのです。

 著者の推測は、徴兵を忌避した心の傷と、戦争への足音がノイローゼを悪化させたのではないかというのです。本当かいな、もし。

 ノイローゼのイギリスの夏目漱石は月150円の留学費の三分の一を書籍代に当てていたというのだから、すごいです。もっと漱石の著者を読んで、再度読み返したい一冊です。★5とします。

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