「右利きのヘビ仮説―追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化」細 将貴

ビジネス書の書評と感想


【私の評価】★★★★☆(82点)

要約と感想レビュー
 著者は京都大学在学中、生物に興味を持ち野生生物研究会に入ります。そして、他学部の生物学の講義を聴講することがあり、生物の進化の不思議、データ解析の美しさに感動しました。その講義では、アフリカの古代湖に鱗を食べる魚がいて、その魚は鱗を食べることに適応して口が左右どちらかに曲がっているということに注目するのです。

 その魚の口がどちらに曲がっているのか10年間比率を測定したところ、その比率は左右五分五分ながら毎年、若干行ったり来たりしていたのです。この結果から得られた仮説は、少数派タイプが有利になる状況にあるのではないか。少数派になると優位に立って、数が増え、多数派になると弱者になって数が減るということを繰り返しているのではないか、というものでした。

・種分化の機構を解明することは進化生物学の永年の目標であり続けている(p14)

 この講義の影響もあると思いますが、著者はカタツムリには右巻きが多いことと、カタツムリばかり食べるヘビがいることに注目します。右巻きのカタツムリが多い環境にあれば、捕食者も右巻きのカタツムリを食べやすい進化をしているのではないか、と推理したのです。

 そしてカタツムリだけを食べるというイワサキセダカヘビの標本を調べてみると下顎の歯の本数が右側が多いことに気づくのです。さらに、イワサキセダカヘビは左巻きのカタツムリは捕獲をほとんど失敗することもわかりました。右巻きのカタツムリを効率よく食べるために、イワサキセダカヘビの右側の下顎の歯の本数が多いという仮説がほぼ立証されたのです

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