『書簡で読むアフリカのランボー』(未来社) – 著者: 鈴村 和成 – 鷲田 清一による書評

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『書簡で読むアフリカのランボー』(未来社)著者:鈴村 和成
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詩作放棄した後半生の意味問う
一人の男が生きた二つの人生。二十歳まで詩人として駈けぬけた数年と、五年間の放浪のあと、アフリカでコーヒー交易商人、武器商人、僻地(へきち)の探検家として生きた十余年。きれいさっぱり詩作を放棄したこの後半生がもつ意味を、この本は問うている。 家族への近況報告や事務的な書簡ばかりで、「沙漠の様に無味乾燥」(小林秀雄)にみえるアフリカからの書簡は、全集のほぼ半分を占める。これを解読しながら、著者は、ランボーは「沈黙」したのではなく、死の床にいたるまで「書く人」だったという。彼の二つの人生は、「〈書簡〉というメディアを用いた書簡作者の変遷」として解釈すべきだと。じっさい、彼の詩の多くは「書簡とともに書かれ、書簡とともに知友に送付され」た(著者による個人訳全集の解題から)。『地獄の季節』がヴェルレーヌを宛先とする自伝でもあったように、詩そのものがだれかに宛てられていた。「書く」ことの意味について深く考えさせる本だ。【初出メディア】朝日新聞 2013年3月10日朝日新聞デジタルは朝日新聞のニュースサイトです。政治、経済、社会、国際、スポーツ、カルチャー、サイエンスなどの速報ニュースに加え、教育、医療、環境、ファッション、車などの話題や写真も。2012年にアサヒ・コムからブランド名を変更しました。http://www.asahi.com/
Source: allreeviws

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