『[図説]老いと健康の文化史:西洋式養生訓のあゆみ』(原書房) – 著者: リナ・ノエフ – 森 望(訳者)による前書き

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『[図説]老いと健康の文化史:西洋式養生訓のあゆみ』(原書房)著者:リナ・ノエフ
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人は、迫り来る老いにどのように向き合ってきたのか。また、いかにして健康の維持に努めてきたのか。古代ギリシャ・ローマ時代から現代のアンチ・エイジングに至るまで多数のカラー図版とともに紹介した書籍『老いと健康の文化史』より、訳者まえがきを特別公開します。
日本には『養生訓』。ではヨーロッパは?
私たち日本人は、いわゆる「蘭学」というものを知っている。医学の世界の人間でなくても、誰もが『解体新書』(1774)のことを知っているだろう。江戸時代中期に、長崎の出島を通して入ってきたオランダからの書物が、豊前国中津藩の前野良沢と若狭国小浜藩の杉田玄白によって、簡略版ながら日本語に訳されて出版された人体の解剖学書である。これをもって、西洋医学のエッセンスが初めて日本に知れ渡ったとされている。この『解体新書』の受容をもって、私たちは当時の日本人、あるいは江戸の庶民が、オランダの医学を知ったように思い込みがちなのだが、実はその『解体新書』にあるのは人体各部の臓器や骨格の名称とその相互関係くらいであって、当時のオランダの医療の状況については一切ふれられていない。しかも、元はといえば、ドイツの医学者ヨハン・クルムスの出版物をオランダのライデンにいた外科職人(外科医)のへラルトス・ディクテンがオランダ語に翻訳したもので、オリジナルではない。したがって、私たちは『解体新書』からは当時のオランダの医学については何も学べていないのである。一方で、私たちは江戸時代の『養生訓』(

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