『強い内閣と近代日本: 国策決定の主導権確保へ』(吉川弘文館) – 著者: 関口 哲矢 – 関口 哲矢による自著解説

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『強い内閣と近代日本: 国策決定の主導権確保へ』(吉川弘文館)著者:関口 哲矢
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教訓としたい「強い内閣」の追求
「強さ」にあこがれを抱く者は多いだろう。一方で、和を重んじるのが美徳と考える者もいる。「強い内閣」とはこの両面に留意し、ひたすら強権を発動するのではなく、閣内統制と閣内調整の使い分けができる存在なのではないだろうか。本書ではさらに、政治の安定を持続させる能力や、危機を未然に防ぐ能力も、「強い内閣」の要件に含めた。強さの追求は一筋縄ではいかない。「強い内閣」を築く難しさを、もう少しみていこう。多人数で話しあえばよい知恵が出て意思決定に利益となるという考え方がある。しかしその分、意思決定は遅くなる。だからといっていきなりトップダウンで決定すれば、方々からの反発は必至となる。組織もおなじであり、組織が大きくなればなるほど意思決定は鈍化する。組織が増えれば増えるほど、やはり鈍化する。2001年の中央省庁等改革で省庁の数を減らしたことを想起すればわかりやすい。〇〇調査会といった組織の乱立も警戒すべきであり、意思決定の交通渋滞を来しかねない。〇〇特命担当大臣といった大臣数の増加も、意思の統一を複雑にする危険がある。意思決定の強力化は、近代でも現代でも、政治が避けて通れない関門である。下で述べるように、近現代の政治には類似する面が多い。であるのに、両時代を関連づけて課題解決を試みる機会が少ないのが現状ではないか。「強い内閣」を実現する特効薬はないが、近代の歩みをたどることで、現代への教訓を数多くみつけることはできる。それが本書の執

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