半七捕物帳 64 廻り灯籠

書評総合


・半七捕物帳 64 廻り灯籠
・岡本綺堂
・青空文庫
 この作品もいつものように、半七老人が岡っ引き時代の思い出話を作者に語るという形式のものだ。
 この話は、半七老人が「おかしい話」と前置きして語るのだが、確かにおかしい。
 半七老人の言によると、石が流れりゃ木の葉が沈むと云うが、まあ、そんなお話ですよ。泥坊をつかまえる岡っ引が泥坊に追っかけられたのだからおかしい。泥坊が追っかける、岡っ引が逃げまわる。どう考えても、物が逆さまでしょう。そうなると、すべてのことが又いろいろに間違って来るものです。(後略)
 おまけに、半七が他の岡っ引きの子分にふん縛られるのである。
 今回の事件の中心となるのは二代目三河屋甚五郎(通称は三甚)。芝口の岡っ引きのようである。事件は、この三甚が本石町無宿の金蔵を捕まえたことに端を発する。酔わせて三甚は金蔵を捕まえたのだが、逆恨みされ、こんなことを言っていたらしい。
こんな駈け出しの青二才の手柄にされちゃあ、おれは死んでも浮かばれねえ。こん畜生、おぼえていろ。おれが生きていればきっと仕返しをする、死ねば化けて出る、どっちにしても唯は置かねえから覚悟しろと、おそろしい顔をして散々に呶鳴ったそうです。
 ところが、この金蔵が仲間と一緒に破浪する。つまり、追いかけるのが金蔵で、逃げ回るのが二代目三甚というわけである。
 半七は先代の三甚に世話になったことから、二代目三甚の保護を引き受ける。これを半七に依頼したのは、神明前でさつきと言う小料理屋をやっているお力。お力の娘お浜と二代目三甚はいい仲なのだ。
 ところが、二代目三甚の

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