『ミラーリングの心理学:人は模倣して進化する』(原書房) – 著者: フィオナ・マーデン – フィオナ・マーデンによる前書き

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『ミラーリングの心理学:人は模倣して進化する』(原書房)著者:フィオナ・マーデン
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誰かを模倣し、誰かに模倣される「ミラーリング」によってニューロンは活性化され、人間と社会は進化した。そして人間は生まれてから生涯を閉じるその日まで、周囲にいる誰かを模倣し、自分も模倣され続けている。ミラーリングとはどのように作用するのか? そしてよりよい生と社会を実現する方法は? それらを記した書籍『ミラーリングの心理学』より序文を特別公開する。
ミラーシステムはなぜ重要なのか
大切にしている1枚の写真がある。まばゆい初夏の日、写真のなかのわたしは2歳の小さな頭にぶかぶかの祖父の中折れ帽をかぶり、縁の厚いメガネを斜めに鼻にのせて、ピクニックシートに座っている。祖父はさくらんぼの刺繍のついたわたしの小さな黄色い帽子をちょこんと頭にのせて、そんなわたしを見つめ返している。その帽子はわたしが祖父を笑顔にしたくてのせたらしい。祖母の死後、祖父が声を上げて笑ったのはそれが初めてだったという。それが本当で、かくも幼い年齢で祖父の悲しみを一瞬でも和らげる方法がわかるほど自分が賢く、また思いやりを持っていたのだと思うといい気分になる。だが現実には、おそらくわたしはほかのすべての子どもと同じように、自分が見たものを手本にして、何も考えずに祖父の行動をそっくりまねて――ミラーして――いただけだったろう。それが祖父を笑わせたのだ。模倣は人間だけの能力ではない。「同族」の行動を見てまねることはあらゆる学習に不可欠だ。母猫の毛づくろいを見ていた子猫が、まだできないにもかか

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