『性の夜想曲 チェコ・シュルレアリスムの〈エロス〉と〈夢〉』(風濤社) – 著者: ヴィーチェスラフ・ネズヴァル,インジフ・シュティルスキー – 阿部 賢一による書評

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『性の夜想曲 チェコ・シュルレアリスムの〈エロス〉と〈夢〉』(風濤社)著者:ヴィーチェスラフ・ネズヴァル,インジフ・シュティルスキー
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エロスの可能性を言語そして図像を通して探求する――日本で独自に編集されたチェコのシュルレアリストたちの散文作品集
チェコ・シュルレアリスムには『ナジャ』に匹敵する作品がないと言われる。たしかに第一世代のメンバーのなかで詩人として知れられていたのはヴィーチェスラフ・ネズヴァル(一九〇〇‐一九五一)だけであり、彼の『プラハの散策者』(一九三八)はボヘミアの首都を舞台にした散文とはいえ、グループ脱退後に発表した作品ということもあり、ブルトンの著書のような強度は感じられない。だが数はそれほど多くはないものの、チェコのシュルレアリストたちも散文を残している。その代表的なものが今回日本で独自に編集された『性の夜想曲』である。同書は二部から構成され、「エロス」と題された第一部には詩人ネズヴァルの『性の夜想曲』および画家インジフ・シュティルスキー(一八九九‐一九四二)の『エミリエが夢のなかで私の許にやってくる』、第二部「夢」にはシュティルスキーの『夢(一九二五‐一九四〇年)』(抄訳)が収められ、チェコ・シュルレアリスムの一面を垣間見ることができる。核をなす『性の夜想曲』(一九三一)と『エミリエ』(一九三三)の二編はチェコでシュルレアリスト・グループが一九三四年に結成される以前の作だが、タイトルが示す通り、エロス文学の系譜に連なる作品ともなっている。二十世紀のチェコ詩を代表する詩人でもあるネズヴァルの作品には、思

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