『約束の地 大統領回顧録 I 上』(集英社) – 著者: バラク・オバマ – 前嶋 和弘による書評

書評総合

『約束の地 大統領回顧録 I 上』(集英社)著者:バラク・オバマ
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『約束の地 大統領回顧録 I 下』(集英社)著者:バラク・オバマ
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本書は2009年から2期8年間、第44代アメリカ大統領を務めたオバマ氏の回顧録である。回顧録はI、IIと分かれており、今回は幼少期から大統領1期目までの回想となっている。オバマ氏本人がじっくり書き上げたかったため、長編となった。この本が全米で絶賛されているのには様々な理由がある。まず、オバマ氏自身しか語れない事実が次々に再生されていく点が魅力的だ。リーマンショック後の経済復興への対応、平等な社会を目指すものの様々な反発を生んだ医療保険制度改革への決意、イラン核合意に至る端緒となるハメネイ氏への秘密書簡、中国の諜報機関が暗躍した初の中国公式訪問など、当時の決断の責任者でもあるオバマ氏が自分の言葉で振り返っていく歴史の重みがある。状況分析に加え、バイデン副大統領ら側近のアドバイスを受けてオバマ氏がどう決めたのか。その過程を読者は追体験していく。一つひとつの判断には、側近やオバマ氏の喜び、苦しみ、さらには涙があった。外国の要人に対するオバマ氏の印象も興味深い。訪日時の上皇、上皇后陛下との面会での強い印象。メルケル氏とサルコジ氏の対照的な様子。アメリカへの不満を繰り返し口にするプーチンに対する警戒感。日本でも話題となった「話し上手ではないが感じのいい」という鳩山首相への言及もある。また、語り部としてのオバマ氏の高い能力にも感嘆する。自省的で平易だが、豊

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