『存在しない女たち: 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く』(河出書房新社) – 著者: キャロライン・クリアド=ペレス – 鴻巣 友季子による書評

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『存在しない女たち: 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く』(河出書房新社)著者:キャロライン・クリアド=ペレス
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男性を基準に設計された世界
新元号選定の有識者会議の報道を見て啞然とした。「経済界」「法曹界」などの枠(全員男性)の他に「女性」という枠が示されていた。女性とは多くの男性にとって、共同体のどんな分野分類にも属さない他者であるのか。ここで思いだすのは、ボーヴォワールの『第二の性』の一節だ。「人間とは男のことであり、(中略)男は“主体”であり、“絶対者”である――つまり女は“他者”なのだ」。男性が基準(デフォルト)であり、女性は逸脱した変異型だというのは、古来の考え方だ。『存在しない女たち』の原題は、Invisible Women(見えない女性たち)。この世界が、いかに男性を基準にして設計されてきたか、いかに女性の心身のありようを無視した上に成り立っているかを、無数のファクトとデータをもとに明らかにする圧巻の著だ。以下のテーマが繰り返し現れてくる。(1)女性の体の問題 (2)女性による無償ケア労働 (3)男性による女性への暴力。昨年、米の有力紙に、アンデスの高原地帯から9000年前の狩猟者とおぼしき遺品と女性の骨が出土したという論文が紹介された。狩猟者の30~50%は女性だったのではという説も出ていると言い、となると、「男は狩猟者、女は採集者」という定説は覆される可能性がある。『存在しない女たち』によれば、「人間の知性、興味、感情、そして

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