定道明「雪先生のプレゼント」を読む

小説の書評と感想
 昨日に到着を報せたばかりの、定道明さんの短編小説集「雪先生のプレゼント」を読み了える。 「雪(せつ)先生のプレゼント」には、7編を収める。アマチュア作家同士の友情と相手の死を描く、「一人旅」がある。 福井出身の詩人で、芸術院賞、恩賜賞を受け、芸術院会員の荒川洋治氏の生家を訪ねる「茅萱と小判草」では、案内のMさんが、山岳エッセイストM・迪男さんと推測されて楽しい。荒川洋治氏の家には、共に高校生だった頃、招かれた事がある。高見順の生家・墓地と共に、写真が残っている。僕の卒業間際にも招かれたようで、早稲田の角帽の荒川氏との2ショットが残っている。 「餡パンを買いに行く」は、自動車運転免許証を返納して、シニアカーに乗る作者が、餡パンを買いにシニアカーで出かける話である。僕も車を辞めた(免許証は持っている)あと、外出が不便で困っている。 「雪(せつ)先生のプレゼント」は、かかりつけ医の女医・雪先生より、きれいな空き箱を貰う話である。ありがたさは、貰い物の箱が捨てられぬようになるまで、「遠い時間が必要だったのである。」。 「DK虫」は、老いたせいか早起きの作者が、DK(ダイニングキッチン?)に籠る話から展開する。 様々に、フィクションも混じるだろうが、老いての巧まないペーソスとユーモアに満ちている。

Source: 小説

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