辻征夫・詩集「ヴェルレーヌの余白に」を読む

小説の書評と感想
 思潮社の現代詩文庫155「続・辻征夫詩集」より、詩集「ヴェルレーヌの余白に」全編を読み了える。 先行する「鶯」から、は今月20日の記事にアップした。
 「ヴェルレーヌの余白に」(1990年、思潮社・刊)は、16編の詩を収める。 「これはいにしえの嘘のものがたりの」は、同級生だった女の子が芸妓になり、水揚げの日、悪友4人が集まって初めて大酒を飲み、げろを吐いたと言う、同級生の友情の物語である。もちろんフィクションの可能性が高い。 「蛇いちご」は性の和合、「六番の御掟について」は性の不和の、象徴のように読める。 表題作の「ヴェルレーヌの余白に」は、題名の優雅さに似つかない結末となる。「をぐらき庭のかたすみに/襤褸のごとく/われは吐瀉物にまみれて凍へてをりぬ。……」。次ぐ「レイモンド・カーヴァーを読みながら」も、酔いの失態を思い出している作品である。 「春の海」は、「春の海ひねもすのたりのたり哉」から海獣「ヒネモス」を、カラスの古巣の歌詞から「フールス」をひねり出したりしながら、苦しい失恋を描いている。これは後の作品によると、リアルな経験だったらしい。写真ACより、「ビジネス」のイラスト1枚。

Source: 小説

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