山本圭『現代民主主義』(中公新書) 7点

書評総合
 ここ最近、宇野重規『民主主義とは何か』(講談社現代新書)、空井護『デモクラシーの整理法』(岩波新書)など民主主義についての新書の出版が相次いでいますが、本書もそんな中の1冊となります。 では、どこに特徴があるのかというと、やはり「現代」の部分でしょう。民主主義を語るとなると、まずは古代ギリシャの民主政から初めて、ロックやルソー、トクヴィルなどをたどっていくことが一般的ですが、本書の第1章は、いきなりマックス・ウェーバーから始まっています。つまり、大衆民主主義が成立して以降の民主主義を扱っているわけです。 さらに固有名で言うと、ウェーバーとシュミット→シュンペーター、ダール→ハーバーマス、ムフ→デリダ、ラクラウといった流れでとり上げられていますが、意外とない組み合わせかもしれません。 政治学の本であれば、ウェーバーとシュミットから始めてハーバーマスあたりで終わりそうですし、思想系の本であれば、ウェーバーとシュミットの次はシュンペーターやダールを飛ばしてハーバーマスやデリダ、ラクラウ&ムフなどに直結させそうです。 その点で、本書は政治と思想を架橋するような試みと言えるかもしれません。 目次は以下の通り。序章 民主主義の世紀第1章 指導者と民主主義第2章 競争と多元主義第3章 参加民主主義第4章 熟議と闘技第5章 現代思想のなかの民主主義終章 未来に手渡す遺産として 宇野重規『民主主義とは何か』でも触れられていましたが、「デモクラシー」という言葉は19世紀までは否定的に捉えられていました。20世紀前半にはファシズムの台頭などもあり、再び民主主義に懐疑の目が向けられましたが、第2次大

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