「梅崎春生全集」第4巻を読む(7)

小説の書評と感想
 沖積舎「梅崎春生全集」第4巻(1984年・刊)より、7回めの紹介をする。 同(6)は、今年1月28日の記事にアップした。
 リンクより、過去記事へ遡れる。 今回は、「益友」、「小さい眼」、「豚と金魚」、「井戸と青葉」の4短編小説、303ページ~345ページ、43ページを読んだ。 「小さい眼」を除く3編に、山名君という、自分より7つ8つ若い友人が登場し、家に出入りする。 これまでにも、家に青年が出入りする主題の「犬のお年玉」、「風早青年」などの短編があった。 今回の3作の山名君は、本業の画家では冴えないが、「私」のためにタケノコを買い付けたり、蜂の巣除去をし、犬を探して持ち込んだり、事情で子豚を持ち込んだり、井戸掘りを手伝わせたりする。 山名君はフィクションだろう。若くて抜け目がないが、本業で冴えなく、明るい青年を描いて、戦後の希望を託したかと、作家の心理を推測する。 「小さい眼」は、ミルクホールで会った目の小さいおばあさんに、学生の「おれ」が誤解で憐れまれ、派出看護婦会(おばあさんは会長だった)の家の1室に、半強制で住まわせられ困惑する話である。 戦後15年を過ぎ、食うには困らないが、まだ貧しい世情を、庶民生活の心理の綾を探って描いた。写真ACより、「ガーデニング」のイラスト1枚。

Source: 小説

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