『砂戦争 知られざる資源争奪戦』(KADOKAWA) – 著者: 石 弘之 – 中村 桂子による書評

書評総合

『砂戦争 知られざる資源争奪戦』(KADOKAWA)著者:石 弘之
Amazon |
honto |
その他の書店
身近で生活を支えるものの危機
子どもの頃の思い出には「お砂場」がつきものだ。水で少し湿らせてつくった山にトンネルを掘った仲間と両側から入れた手を握り合った時の嬉しかったこと。砂はいつも身近にあり、変わらないものとして存在していたのだ。天然資源の枯渇については多くが語られているが、ありふれたものの代表と思っていた砂が争奪戦の中にあり、「21世紀の最重要の資源のひとつとして注目を浴びている」ことは本書で初めて知った。「砂がなければ私たちの日常が成り立たないところまで砂に頼りきった生活」の具体を見ていこう。最大の用途は砂をセメントで固めたコンクリートである。都会のビル群はまさに砂の固まりなのである。今日も世界の各地で建設されているであろうビルを思うと、砂の枯渇が現実味を帯びてくる。次いで大きい用途が「埋め立て用土砂」と「工業用原料」であり、近年「オイルシェール掘削用」が急激に伸びているとのことだ。ガラス、鋳型などの他、パソコン、スマホ、デジタル家電製品に不可欠な半導体のシリコンも砂からとるのだ。砂資源を巡る世界の動きを見よう。国連報告書によると、砂の使用は年に500億トンと、この20年間で5倍になっており、世界の川が運ぶ土砂の2倍にもなるとのことだ。500億トンは「高さ5メートル、幅1メートルの壁をつくると地球を125周する」量と聞くと恐ろしくなる。21世紀は都市膨張の世紀と言える。とくに途上地域で著しく、人口1000万人以上のメガ都市が次々出現している。世界最大の

リンク元

コメント

タイトルとURLをコピーしました