『[図説]人魚の文化史:神話・科学・マーメイド伝説』(原書房) – 著者: ヴォーン・スクリブナー – 肱岡 千泰による後書き

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『[図説]人魚の文化史:神話・科学・マーメイド伝説』(原書房)著者:ヴォーン・スクリブナー
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新型コロナを封じる半身半魚の妖怪「アマビエ」の大流行で注目されている人魚。日本に伝わる人魚は、いかに西洋の影響を受けたのか。人魚の起源、シンボル、標本、見世物、サブカルチャーまで、人々を魅了してやまないマーメイドの歴史とイメージをめぐる本書から「訳者あとがき」を特別公開します。
人々を熱狂させる見世物
突然だが、各ページの隅にいるキャラクターにお気づきだろうか。これはコーヒー・チェーン、スターバックスのロゴマークの原型となった人魚だ。流れるような髪と豊満な肉体と二股に広げた尾をもつ彼女は、中世の教会の装飾に使われた人魚の典型例で、幾度かのデザイン改訂を経て雰囲気がすっかり変わった現在のロゴにも、その特徴が確かに残っている(両脇に描かれた縞模様の細長いものが魚の尾)。本書は2020年8月に刊行された『Merpeople: A Human History』の全訳である。スターバックスの人魚を含め、古代から現代の西洋を中心とする人魚の文化を、美術、建築、科学、見世物、映画など幅広い分野にわたり、117点の図版とともに紹介している。原題の「merpeople」は馴染みの薄い語かもしれないが、「merperson」の複数形で、男女の別なく人魚をあらわす。著者のヴォーン・スクリブナーは、米国のセントラル・アーカンソー大学の准教授を務め、植民地時代のアメリカ史を専門とする若手の男性研究者。聡明そうな茶色い瞳と、力強い話し方が印象深い。著書に植民地時代

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