『国家の解体: ペレストロイカとソ連の最期』(東京大学出版会) – 著者: 塩川 伸明 – 塩川 伸明による自著解説

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『国家の解体: ペレストロイカとソ連の最期』(東京大学出版会)著者:塩川 伸明
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大国ソ連がペレストロイカと呼ばれる改革を経て、解体にまで行き着く重大事件を歴史的に解明した『国家の解体』。この2400頁を超える大作を、一人で執筆した塩川伸明・東京大学名誉教授による「刊行にあたって」を特別に掲載します。
ロシア史研究の第一人者による、2400頁を超す渾身の書き下ろし
国家はどのようにして解体するのだろうか。政治的、経済的、社会的な危機が累積していたというような背景が容易に思い浮かぶ。しかし、そうした危機は必ずしも国家の解体に直結するものではない。政権は変わるかもしれないし、経済のあり方や社会の仕組みも変わるかもしれないが、それもたいていは同じ国家の中での変化である。もっとも、ソ連という国の場合には、そういった一般論にはとどまらない特殊性がある。特異なイデオロギーを奉じ、それに基づいて特異な政治経済体制をとっていたから、そのイデオロギーの虚妄性や体制の非効率性があらわになることで自ずと崩壊したのだ――多くの人がいだいているのは、こういうイメージだろう。だが、これもまた国家の解体を直ちに説明するものではない。ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアといった諸国はソ連と同様のイデオロギーと体制を投げ捨てたが、国家は解体しなかった。社会主義ポーランドが資本主義ポーランドになっただけである。では、社会主義ソ連が資本主義ソ連になる可能性はなかったのだろうか。そんなことはあるはずがないというのが大方の常識だろう。何といっても、ソ連こそは「

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