『東アジアのなかの満鉄―鉄道帝国のフロンティア―』(名古屋大学出版会) – 著者: 林 采成 – 林 采成による自著解説

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『東アジアのなかの満鉄―鉄道帝国のフロンティア―』(名古屋大学出版会)著者:林 采成
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世界でも最高水準の鉄道技術を誇った満鉄。その鉄道業の全貌を詳細に描き出した力作『東アジアのなかの満鉄』が刊行されました。今回は著者・林先生による書き下ろしの自著解説を特別公開いたします。
戦前日本は鉄道帝国だった? 満鉄の歴史を読み直す
拙著『東アジアのなかの満鉄――鉄道帝国のフロンティア』がこのほど出版され、著者としては嬉しい限りであるが、読んでくださった方々からしばしば頂戴するのが、「迫力」という言葉である。もちろんこれは、編集者が選んだカバー図版で、田中靖望氏の「機関車」というあじあ号の力強い写真にもよるところがあるとはいえ、内容的には、これまで考えられてこなかった東アジアという枠組みから、戦前~戦後にかけての満鉄の復元を試みたからであろう。
戦前日本は鉄道帝国であった
戦前日本は日清戦争をきっかけに中国から台湾を獲得・領有して帝国となり、日露戦争を契機に朝鮮半島、南満洲、南樺太への影響力を拡大した。それにともない、いち早く鉄道建設にとりかかり、現地の総督府のもとで台湾国有鉄道、朝鮮国有鉄道、樺太国有鉄道を運営した。さらに中東鉄道の南部線を占領し、ロシア帝国の利権から分離して満鉄の設立をみたことで、日本列島から朝鮮半島を経て中国大陸にいたる鉄道ネットワークを構築し、それを基盤として統治・支配を行い、これらの地域から帝国の運営に必要な物資を調達し、さらに開発を進めていくようになる。その後のさらなる戦争により、総力戦となった日中戦争や太平

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