『松の文化誌』(原書房) – 著者: ローラ・メイソン – 田口未和による後書き

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『松の文化誌』(原書房)著者:ローラ・メイソン
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数え切れないほどある樹木のなかでも、松は日本人にとって特別な存在です。お正月には門松を飾り、「松竹梅」の「松」は最高級を意味し、美しい日本の風景といえばまっさきにイメージされる木はやはり松でしょう。厳しい環境にもよく耐えて生育する松は、長寿の象徴とも言われます。そして松は日本以外でも、忍耐、知恵、多産等の意味をもつ特別な木とされることが多い木です。植物と人間――その強いつながりを「歴史」「文化」「暮らし」などの視点から描くユニークな「花と木の図書館」シリーズの新刊『松の文化誌』は、まさに「松づくし」の一冊。木材としてはもちろん、さまざまな想像力の源、食料、薬剤、接着剤など、松と人間の豊かな関係をたどる内容。本書の「訳者あとがき」を公開します。
松という木の奥深さ
日本人にとって松は目にする機会も多い、ごく身近な樹木の代表だろう。古くから人々の暮らしとともにあり、日本文化に欠かせない役割を果たしてきたことは、人名や地名に「松」の文字があふれていることからもわかる。実用的な用途だけでなく、風景の主役にもなるし、庭木や盆栽として「生きた芸術作品」にもなる。日本や中国で親しまれる木としてのイメージが強いが、世界には思いのほか多くの種類の松がある。本書は世界に分布するマツ科マツ属の樹木をテーマに、生育環境の違いにより異なる性質や形態、用途に注目し、植物学者たちを悩ませてきたマツ属の分類をめぐる混乱ぶりにもふれながら、人間による松の利用の歴史を振り返る。また、文化によって異なる松のイメージが

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