『教師の仕事がブラック化する本当の理由』(草思社) – 著者: 喜入 克 – 喜入 克による本文抜粋

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『教師の仕事がブラック化する本当の理由』(草思社)著者:喜入 克
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教師の仕事が「ブラック化」し、教育現場を蝕んでいることが、近年の報道などによって広く知られるようになりました。なぜ学校はブラック化したのでしょうか。本書は、現役の高校教師が、現代の教師と学校が抱える問題を明らかにし、教育の本質を見据えつつ問題の解決策を模索します。今回は本文から、部活動を通して「教育は本質的に無償で与えるものである」と考察したパートを一部抜粋してお送りします。 
教育は「贈る」という営み
塾と学校とはなにがちがうのか──この古くて新しい問題に、さまざまな論者がさまざまなことを言ってきたが、私は以下のように考える。塾は、「顧客」の「志望校合格」というニーズに応えるだけの教育サービスを提供し、顧客はそれに対価を支払う。塾と顧客は、価値や価格の等しいものをやりとりするという意味で、市場的な交換関係である。顧客は、自分の意思でいつでもやめることができ、塾は、顧客と契約した以外の教育サービスについてはきっぱりと断ることができる。これに対して、学校は、「一人前の市民」の形成、成熟した「オトナ」の形成、知的な主体の形成という特別な役割をもっている。塾のような交換関係ではなく、市民社会などオトナの側からの要請によって、子どもたち全体に向かって教育が与えられる。学校と子どもとの関係は、「無償で相手に与える」という意味で、「贈る」という関係に近い。子どもは、自分の意思で簡単に学校をやめることはできない。学校は、「これが学校の提供する贈りものです」と、その中

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