人工衛星から遺跡を探す『宇宙考古学の冒険』

書評総合
イタリアやフランスで、畑に模様を見かけたら、そこに遺跡がある可能性が高い。Wikipedia ”Cropmark” よりかつて、そこには石壁や住居の基礎があった。そうした構造物は、長い時間をかけてゆっくり土に埋もれてゆく。地表に牧草などが根付いた場合、その根は深く伸びることができない。そのため、牧草の生育が悪くなり、上空から見ると、奇妙な模様が浮かび上がる(考古学で、クロップマークと呼ぶ)。Wikipedia ”Cropmark” よりクロップマークは、航空写真で確認できる。だが、もっと微妙な、植生の健康状態の違いは、近赤外線データから読み取ることになる。人の目には同じに見えるが、近赤外線画像だと、クロロフィル(葉緑素)の違いは、赤色の違いによって判別できるからだ。宇宙から遺跡を探すこの発想を広げて、人工衛星から撮影した画像データを元に、地下に眠る遺跡を探すのが、宇宙考古学になる。単なる解像度の高い写真ではない。地上 640km から撮影された電磁気スペクトルデータを解析し、肉眼では見えない地下の遺構を浮かび上がらせる。宇宙からだと、植生の違いだけでなく、地下を直接探すこともできる。たとえば、「ヒートアイランド現象」の応用だ。これは、コンクリートが昼間の熱を吸収し、夜に放熱する現象で、結果、郊外に比べると都心部は高温になる。人工衛星から熱赤外イメージングした場合、夏の夜の都心は光り輝いて見えるという。では、都心ではなく、砂漠や草原はどうか。地上に建物がないにもかかわらず、夜間、熱赤外イメージングで明るい場所があったとしよう。この場合、地下にコンクリート構造物がある可能性が高い。

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