ここは、おしまいの地 こだま

小説の書評と感想
今日深夜にフジテレビで放送される実写ドラマ『夫のちんぽが入らない』著者こだまさんのエッセイ。  とても読みやすい軽妙な筆致で、悲惨な人生を語っている。  悲惨、と言っては失礼か。 本人は自分の人生を不幸だとは思っていない。(ちょっとは思ってるかもしれない)  辺鄙な田舎で生まれ育った著者は、偏見まみれの無知蒙昧な輩だらけのなか、借金暴力異性問題をまきおこす親族、夫婦家族は罵詈雑言でコミュニケーションする環境を「ふつう」としていた。 荒れ狂う嵐の中で家庭を回す役割を担った母は、暴風雨に対抗するために近隣住人から「雷おばさん」と呼ばれる強烈なおばちゃんになった。常にほとんど発狂しているような人だった。茶碗や包丁の飛び交う家庭で正気でなんかいられなかったのだろう。 叩かれるか怒鳴られるか縛りつけられるか。 著者の母親はそういう存在だったのだが、時の流れは「雷おばさん」を通販好きの穏やかな老婆にした。 トラブルを巻き起こす親族は亡くなっていき、世話しなければいけない家族は巣立っていった。 嵐は去ったのだ。 テレビを見て笑っているかつての「雷おばさん」に、人は変わればかわるのものだと思う「わたし」に恨みつらみはない。 かつて「わたし」をいじめた少年に対する筆もやさしい。見方が違えば、描き方が違えば、陰惨で救いのない思い出だったろうに。仄かなぬくもりを感じさせるエピソードとなっている。    この本で語られる「わ

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