『現代アート入門』(名古屋大学出版会) – 著者: デイヴィッド・コッティントン – 松井 裕美による後書き

書評総合

『現代アート入門』(名古屋大学出版会) 著者:デイヴィッド・コッティントン
オックスフォード大学出版局から刊行されている定番の入門書シリーズ「Very Short Introductions」の中から、このたび『現代アート入門』が日本語に翻訳されました。刊行以来多くの人に読まれ続けてきた本書は、どのような点が高く評価されているのでしょうか。訳者は『キュビスム芸術史』で和辻哲郎文化賞を最年少受賞した松井裕美氏。その訳者あとがきから、本書の特色をご紹介します。
なぜこれがアートなの?「知る」だけでなく「問いを立てる」ための格好の入門書
本書は、David Cottington, Modern Art: A Very Short Introduction(Oxford University Press, 2005)の邦訳である。著者のデイヴィッド・コッティントンは、20世紀前半の前衛美術、とりわけキュビスム研究の第一人者であり、現在はイギリスのキングストン大学の名誉教授である。本書で使用されている「モダン・アート」という語は、実のところ西洋美術史において様々な芸術を意味する。それは本書でも述べられているように、「モダン」という時代がいつ始まり、いつ終焉したのか(あるいはまだ存続しているのか)という問いそのものと関わっているからだ。極端な場合は「中世」が終わると「近代」に移行する、と考える場合もあるし、産業革命や啓蒙主義の興隆、フランス革命を経た18世紀・19世紀以降の美術を指す場合もある。また「近い過去」の芸術の呼称として用いられる場合もあれば、本書後半であらためて議論されるように

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