山田清吉・詩集「土偶」(抄)を読む

小説の書評と感想
 土曜美術社出版販売の新・日本現代詩文庫150「山田清吉詩集」より、6番目の「土偶(でこんぼ)」(抄)を読み了える。 先行する「だんだんたんぼ」(抄)は、今月6日の記事にアップした。
 「土偶(でこんぼ)」は、2013年、紫陽社・刊。この詩集で、農民文学賞を受賞した。5章32編を収める。 第Ⅰ章より「坪庭」では、「生まれは百姓じゃが//会社の社長に祭り上げられ/その会社が倒産/田畑家屋敷を売り払って/…」と、変化した農民を嘆く。 「己(うら)」では、「この心も己のものではない/借りもの借りもの……/」と書かれるが、僕は心は個人のものと思いたい。 「べと(土)」では、旧・満州に開拓入植した人の帰還を描いて、「仏壇の抽出し」では、兄の出征式の挨拶の下書きを書いて、反戦を訴える。 第Ⅱ章の「土偶(でこんぼ)」連作は、本詩集の眼目だろうが、僕はあまり評価しない。 第Ⅲ章の、チベット巡礼の信仰は、彼の土に生き土に還るという信念と繋がっているのだろう。 その信仰と繋がって、第Ⅳ章の「メルトダウン」では反原発に繋がり、「海 3・11」では大震災を描く。 第Ⅴ章では、農業の衰えの中で、「面打ち」の木彫等と共に、老い先を見遣っている。写真ACより、「土偶」のイラスト1枚。

Source: 小説

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