『ヒロシマ―グローバルな記憶文化の形成―』(名古屋大学出版会) – 著者: ラン・ツヴァイゲンバーグ – 若尾 祐司による後書き

書評総合

『ヒロシマ―グローバルな記憶文化の形成―』(名古屋大学出版会) 著者:ラン・ツヴァイゲンバーグ
ホロコーストと原爆、まったく異なるこれらの出来事を結びつけて語ることにどのような意味があるだろうか。このたび邦訳が刊行された『ヒロシマ』の著者ラン・ツヴァイゲンバーグは、「日本語版へのはしがき」の中で次のように述べている。“イスラエルと日本の生存者は、同じように悲劇の烙印を捺されてきました。被爆者が戦後の経験を語った、その生き延びた人々の物語、そうした物語をめぐる人々の理解の欠如、困難と希望の葛藤、家族の重要性など多くの点が、ホロコースト生存者の経験とよく似ていました。彼らの沈黙さえもよく似ていました。驚いたことに、被爆者の装いや話し方さえもが、私の祖父母と似ていたのです。それは本当に不思議なことでした。”そして研究を進めるなかで、それは単なる感覚の問題ではなく、深い歴史的・人間的なルーツがあるということを、ツヴァイゲンバーグは理解したという。“ヒロシマとナガサキの歴史は、ホロコーストの記憶が展開したその仕方によって形づくられ、またそれと結びついていました。この物語は、それを経験した人々にとってまさしくローカルで個人的なものでしたが、それはグローバルな歴史の一部でもありました。”世界のなかのヒロシマの位置を問い直す挑戦作、『ヒロシマ』。この本の内容を、訳者あとがきより抜粋して紹介する。
遠い過去ではなく――広島という都市が今いちど重要な意味をもつように
今年は広島・長崎への原爆投下75周年である。戦後世界史は核戦争の危機を何度も経験し

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