「美しさ」のサイエンス『美の起源』

書評総合
問題:世界で最も美しい数式は、式の①と②のいずれか?多くの方が、直感で式①を選ぶだろう。正解だ。式①の[オイラーの等式]が、世界で一番美しいとされる。ちなみに、式②の[ラマヌジャンの無限級数]は、最も醜いとされる数式だという。最も美しい数式を探す実験は、認知科学者のセミール・ゼキが行った。まずゼキは、fMRI装置を用いて、美しいと感じている人の脳の活性化している部位を特定した。美しい絵画を鑑賞する人の脳のうち、眼窩前頭皮質が活性化するという(*1) 。眼窩前頭皮質は、ちょうど眼球のソケットにあたる箇所に接している部分になる。次にゼキは、数学者の協力を得て、多くの数式の中から、最も美しいと感じるものを選んでもらい、そのときの眼窩前頭皮質の状態を測定した。予想通り、美しい数式を見るとき、この部分の活性化が認められたという(*2)。数学的な美しさは、シンプルさなのかと考えると、興味深い。問題:次の①と②のうち、どちらが美しいと評価されるか。①②これも、分かりやすい。①を答える人が多いだろう。しかし、なぜ①を選ぶのか?その理由は、デニス・ダットンが解き明かしている。ダットンは、普遍文法や普遍道徳と同じように、「普遍美」があると仮定し、それは国や民族、地域や文化に関係なく、好ましいとされるものだと考えた。そして、1993年、ケニアからアイスランドまで10か国におよぶ調査を行い、どの風景が好ましいか、そして好ましいとされる特徴を突き止めた(*3) 。広い空間に丈の低い草と、藪や密生した木がある近くに水がある鳥や動物がいる植物が多様であるこれは、ヒトが好む原風景は、アフリカのサバンナに似てい

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