『タコの知性 その感覚と思考』(朝日新聞出版) – 著者: 池田 譲 – 武田 砂鉄による書評

書評総合

『タコの知性 その感覚と思考』(朝日新聞出版) 著者:池田 譲
好奇心と社会性を持ち孤独を愛する知性派
タコのキャラクターって、丸みを帯びていて可愛いものが多いが、時たま水揚げされるタコの映像を見ると、そもそもなんなんだこの存在と、「可愛い・可愛くない」なんて論点は消える。タコについて考えたことがなかったが、どうやら特異な知性を持っているという。イカは集団で行動するが、タコは集団を作らない、という点だけでも「タコ派」に属したくなるが、とにかくタコは学習能力が高い。白いボールをマダコに提示し、それをマダコが攻撃した後で餌を与える。これを繰り返すと白いボールを出すだけで攻撃するようになる。ボールのように海中に存在しないものでも、それに作用すれば餌がもらえると学習する。赤玉と白玉を並べ、赤を攻撃したら餌を与え、白を攻撃したら電気ショックを加える。案の定、赤を攻撃するようになるが、なんと、隣で観察していたタコまでそれを覚えるという。外界への強い好奇心があり、これはタコが元来持っている特性ではないだろうか、と著者。道具を使ったり、ヒトにしか見られない特性である二足歩行をしたり、隣にいるタコを認識したり、とにかく社会性を持つ。だが、「タコの生涯の大半の過程はよくわかっていない」という。ときおり見かけるタコの映像を見ると、あれだけの存在感で海に居座ってきたのならば相当長生きをしてきたのだろうと思わせるが、実は、タコの寿命は1年程度、長くても2年を少し超える程度なのだという。タコには表情があるのではないか、との指摘も出てきている。研究が重ねられても、それでもちっとも全貌をつかませない様子にま

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