『そして、みんなバカになった』(河出書房新社) – 著者: 橋本 治 – 橋爪 大三郎による書評

書評総合

『そして、みんなバカになった』(河出書房新社) 著者:橋本 治
万能の才人・橋本治氏の晩年の原稿を集めた。至言の数々を、頁(ページ)を繰るごとに味わうことができる。バカの起源。世の中から職種が減りサラリーマンばかりになった。バカとは、大人にならないでいいことだ。バカになるのと豊かになるのはほぼ同じ。豊かさが消えた≪バブル以後、…バカになっていく…ばかりが目立つ≫ようになった。お笑い芸人が全盛なのも、一過性の見せ物にしか人びとが興味ないからだ。橋本氏はバカを自覚し、学校になじまず、体感を頼りにわが道を歩んできた。≪「わかること」は…「わからないこと」を見つけない限りできない≫。だから、学校教育と無縁な教養を打ち立てた。≪教養という柱は十本も二十本もあっていい≫。≪一人で近代をやり直しているようなもん≫なのが本当にすごい。老いについてはこう語る。それは≪実際にその年になってみないと想像できない未知の領域≫。だからつねに発見がある。高橋源一郎氏が愛ある「はじめに」と「おわりに」を寄せている。巻末の全著作リストも助かる。かけがえない才能をこんなに早く亡くしたことが本当に悔やまれる。【初出メディア】毎日新聞 2020年5月2日毎日新聞のニュース・情報サイト。事件や話題、経済や政治のニュース、スポーツや芸能、映画などのエンターテインメントの最新ニュースを掲載しています。https://mainichi.jp/book/
Source: allreeviws

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