三浦しをん「愛なき世界」を読む

小説の書評と感想
 三浦しをんの小説「愛なき世界」を読み了える。和田たんぽぽ読書会の9月例会(8月はお休み)の課題図書である。 三浦しをんの小説は、同じくたんぽぽ読書会の課題図書「ののはな通信」を読み、先の4月11日の記事にアップした。
 「愛なき世界」は、2018年初版、中央公論新社・刊。447ページ。 大学院生で植物学の基礎を研究する本村(女性)に、洋食屋の店員・藤丸が好意を寄せる話を主ストーリーとする。 本村と周囲の研究ぶりも、藤丸の職人根性も面白い。しかし藤丸の2回の告白を、本村は「植物の愛のない世界」が最優先と、断ってしまう。 愛がgive&give&takeの事なら、自然には愛がある。しかし本村は、1部の現代女性と同じく、セックスレスの生活を送りたいのだろう。そこにも人間性はある。 松田教授の若い頃の同輩・奥野の死への自責感を述べるくだりは、やや人情噺に傾く。 三浦しをんが、科学研究に切り込んだ小説として、高く評価したい。

Source: 小説

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