『幼な子の聖戦』(集英社) – 著者: 木村 友祐 – 陣野 俊史による書評

書評総合

『幼な子の聖戦』(集英社) 著者:木村 友祐
卑小な村社会、これが日本
青森県の小さな村で村議をしている「おれ」が主人公。人妻との不倫の証拠を摑(つか)まれた主人公はそれをネタにゆすられる。立候補した友だちの選挙を妨害するよう強要される。そして――。話は小さく、卑小だ。中年にさしかかろうとする主人公の情けなさ、臆病さに胸が苦しくなる。だが村の選挙戦の愚かさは、はたして彼らだけのものなのか? むろんそうではない、と木村は考えているし、読者にも共有されるはず。いまの日本をぎゅっと圧縮してみせる。第162回芥川賞候補作。併録の「天空の絵描きたち」は、ビルの窓拭きを描いて話題になった。ストレートで伸びやかな小説だ。あらためて木村の小説が好きになる。【初出メディア】日本経済新聞 2020年1月30日http://www.nikkei.com/
Source: allreeviws

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