『志ん朝の高座』(筑摩書房) – 著者: 京須 偕充 – 南 伸坊による読書日記

書評総合

『志ん朝の高座』(筑摩書房) 著者:京須 偕充
この写真集は、横井洋司さんが、故古今亭志ん朝さんを30年間撮り続けた5千枚の写真から、精選した240枚の写真で構成されている。私は落語が大好きだけれども、ものすごく「通」だったりするわけじゃない。コドモの頃から、ラジオなんかで落語を聞いてきた、ごく普通の落語好きで、だから、落語家の「写真集」というようなものが、ほかにもあるのかどうか知らない。けれども、志ん朝さんの写真集がある、というかこのように刊行されたというのについては、とても納得がいくし、非常にいい企画だったと思ったのである。志ん朝さんは、朗らかで上品な、噺家らしいとてもいい顔をされていた。そして、さまざまな表情のそれぞれが素晴らしい。顔も落語のうちだと私は思う。だから、ほかの人がマネしようとしたってマネできない、志ん朝さんの天才というものがあったのだ。写真はどれもイキイキと、さすがに選びぬかれたものの光を放って、見ごたえがある。志ん朝さんの落語のCDを聴きながら、パラパラとページを繰るのもいい。京須偕充さんの文をじっくり読むのも速記『試し酒』を味わうのもいい。とてもいい。【初出メディア】朝日新聞 2005年10月23日朝日新聞デジタルは朝日新聞のニュースサイトです。政治、経済、社会、国際、スポーツ、カルチャー、サイエンスなどの速報ニュースに加え、教育、医療、環境、ファッション、車などの話題や写真も。2012年にアサヒ・コムからブランド名を変更しました。http://www.asahi.com/
Source: allreeviws

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