『万物創生をはじめよう――私的VR事始』(みすず書房) – 著者: ジャロン・ラニアー – 冬木 糸一による書評

書評総合

『万物創生をはじめよう――私的VR事始』(みすず書房) 著者:ジャロン・ラニアー
80年代にVPLリサーチ社を創業し、世界で初めてVRを商業製品化した科学者/エンジニア/ミュージシャン/作家のジャロン・ラニアー。「VRの父」とも呼ばれる彼が、VRの来歴と次世代への展望を綴った初の邦訳書『万物創生をはじめよう』が刊行された。本書をいち早く紹介した書評家・冬木糸一氏による書評をお届けします。
VRの父がインターネットの黎明期を通して「あらためて我々はどこへ向かうべきなのか」と問いかけてみせた一冊
この『万物創生をはじめよう』は、最初期のVR技術の探求、起業者であり、VRの父と呼ばれるジャロン・ラニアーによる自伝的な一冊である。幼少期からはじまり、VRとは何なのか、どこを目指すことが可能なのかというVRそれ自体への問をはさみながら、彼が設立したVR系企業VPLリサーチを去る92年までが描かれていく。ジャロン・ラニアーは1960年生まれで、まさにインターネットの草創期、そしてシリコンバレーが盛り上がっていく渦中に働き盛りの若者としてその現場にいた人間である。のちのインターネットの巨人たちがガレージで作業に勤しんでいる間、彼もまたVR技術を発展させようと実験・研究を続けていた。そうした草創期の混乱、そしてまだまだ技術としては不完全なVRをなんとかして商業ルートに載せられる物にして、未来のあるべき形はどのようなものなのか、その理想を議論していく様は、今まさに新しい「産業」が生まれつつある熱狂に満ちていて、大変におもしろいものだ。同時に僕が強く惹かれたのは、彼の人生それ自体だ。デジタル革命

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