『シャルロッテ』(白水社) – 著者: ダヴィド・フェンキノス – 岩坂 悦子による後書き

書評総合

『シャルロッテ』(白水社) 著者:ダヴィド・フェンキノス
シャルロッテ・ザロモンは、実在したユダヤ系ドイツ人画家。彼女の創作と人生への情熱、悲劇的な運命を、フランス人作家が8年をかけて小説にしたのが本書です。翻訳をされた岩坂悦子さんのあとがきから、シャルロッテ本人と本書の魅力に触れてみてください。
アウシュヴィッツに送られ、妊娠中に26歳の若さで命を落とした天才画家の知られざる生涯
本書は二〇一四年に刊行されたダヴィド・フェンキノスの小説 Charlotteの全訳である。フェンキノスの作品は、彼特有のユーモラスな語り口による、軽やかでオシャレなフランスの恋愛小説という印象の作品が多いが、『シャルロッテ』はそれとはまったく異なる作風の小説である。扱っている題材ももちろんだが、なによりこの小説の最大の特徴である文体が、本作品を他の作品と類を異にしている。詩と映画のシナリオを織り交ぜたような一行一文という形式によって、必要最低限に切り詰められたひとつひとつの言葉が際立ち、読者の胸に刺さる。そこには雰囲気を軽くするユーモアなどはない。わざと効果を狙ってこのような文体にしたのではなく、一文、一行書くたびに息をつく必要があったから、これ以外の書き方ができなかったと著者は作中でも述べている。『シャルロッテ』は批評家に高い評価を受け、フランスで最も権威ある文学賞のひとつであるルノドー賞を受賞し、近年注目を集めている「高校生が選ぶゴンクール賞』にも選ばれた。著者自身は高校生のときに重病を患い、長い入院生活を余儀なくされたのをきっかけに文学と出会ったそうだ。それまでほとんど本を読んだことがなかっ

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