『文庫 夏目漱石の 人生を切り拓く言葉』(草思社) – 著者: 齋藤 孝 – 斎藤 孝による前書き

書評総合

『文庫 夏目漱石の 人生を切り拓く言葉』(草思社) 著者:齋藤 孝
漱石は、若い弟子たちに「牛のように進め」と語っていました。この牛のイメージには、こぢんまりとしない、「スケールの大きな真面目」「パワフルな真面目」の理想が込められています。本書は、そんな漱石の“真面目力”を斎藤孝氏が読み解き、先行きが見えない時代に生きる私たちに、これからを生きる上でのヒントを与えてくれます。以下に、著者によるまえがきを掲載します。 
牛に託した「真面目さ」
夏目漱石は、やがて作家となる久米正雄と芥川龍之介に、亡くなる年(大正5年)の8月21日、「君方は新時代の作家になるつもりでしょう。僕もそのつもりであなた方の将来を見ています。どうぞ偉くなって下さい。しかし無暗にあせってはいけません。ただ牛のように図々しく進んで行くのが大事です」と書き、三日後の24日にも、「牛になることはどうしても必要です」「牛は超然として押して行くのです」とくりかえし書いています。さらに芥川には「ずんずんお進みなさい」とも書いています。久米と芥川はこの言葉に、作家として、人間として、人生を切り拓いていく勇気をどれだけ得たことでしょう。漱石にとって、牛とは「真面目」の象徴です。〈牛のように大真面目に黙々とずんずん進んで行きなさい〉これが漱石の人生最後のメッセージでした。他人の顔色をうかがうのではなく、また評価をすぐに求めるのではなく、ひたすら図々しく一歩ずつ前に進んで行く。〈牛のように大真面目に黙々とずんずん進んで行きなさい〉は、まさにこの本のタイトル『夏目漱石の人生を切り拓く言葉』を象徴

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