『雨の鎮魂歌』(沢村鐵)_書評という名の読書感想文

小説の書評と感想
『雨の鎮魂歌』沢村 鐵 中公文庫 2018年10月25日初版

雨の鎮魂歌 (中公文庫)

北の小さな田舎町。中学校の生徒会長・一村が遺体で見つかった。警察の捜査が難航する中、同級生の徹也は友人の古館の様子がおかしいことに気づく。やがて異常な事件が続発。徹也と仲間たちは隠された真実を探す。喪失と絶望、疑心と対立、目眩と希望 - 。激しい雨に襲われた十五歳の夏。少年少女はただ一度の季節を走り抜ける。(中公文庫)失って初めて気づいた。あいつが大切な友達だってことに。作者が重視しているのは、事件を通して少年たちが何を得て、何を失ったのかという点である。つまり青春小説としての完成度なのだ。少年時代に体験する友情、恋、孤独、絶望などを丁寧に掬いあげ、読者が忘れている未知の世界と触れ合う恐怖、人間関係の重さ、繋がりあうことの困難さと喜びを、実に抒情豊かに謳いあげているのである。(中略)これほど熱く激しく青春を謳いあげた作品はなかなかない。これほど語るべきものをもち、小説に対して溢れんばかりの情熱を抱いて出てきた作家もまた珍しいのではないか。(池上冬樹/本書解説より)

この作品は今から20年前 (2000年)に刊行された著者のデビュー作の文庫版です。初版が2018年10月25日。何と、18年ぶりに再び文庫として日の目を見たというわけです。著者にすれば最も思い入れの深い小説、特別な作品と言えます。(巻末にある 「謝辞」 を読むと、その思いの強さ、深さがよくわかります)

帯に “各氏大絶賛” として、重松清、松浦理英子、(さわや書店) 栗澤順一諸氏のコ

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