『黒き侍、ヤスケ:信長に忠義を尽くした元南蛮奴隷の数奇な半生』(原書房) – 著者: 浅倉 徹 – 浅倉 徹による前書き

書評総合

『黒き侍、ヤスケ:信長に忠義を尽くした元南蛮奴隷の数奇な半生』(原書房) 著者:浅倉 徹
戦国時代、信長に仕えた黒人の侍がいた。この「ブラック・サムライ」に世界の注目が集めている。CNNで特集され、ハリウッドでの映画化も決定した。その謎多き半生を物語形式で活写した注目の書が出た。斬新な歴史解釈、迫力の活劇、現代的なテーマ――すべてが揃った『黒き侍、ヤスケ』のまえがきを特別公開する。末國善己氏(文芸評論家)推薦「黒人の元奴隷を侍にまで引き立てた信長の度量にも感嘆」。
信長にひろいあげられた黒人侍
この本を手に取った皆様は、弥助という人物のことをご存じだろうか。辞書的な説明をすれば、アフリカのモザンビーク生まれで、戦国時代後期の日本にヨーロッパ人キリスト教宣教師の奴隷としてやってきた黒人男性で、日本平定間近の織田信長(1534~82)にひろいあげられた人物ということになる。太田牛一という信長の家臣が信長の一生を描いた著作『信長公記』では、弥助は「黒坊主」などと呼ばれていたとあり、別の史料によれば、身長は六尺(180センチメートル)を越えていたらしい。そして、信長によってどうやら侍に取り立てられていたようである。いずれも断片的で不十分な情報であるが、弥助が存在していたことは事実で、おそらく日本の史実で確認できる黒人の正規の侍は彼のみだろう。白人の侍的存在であれば、近年テレビゲームの主人公になったことで再び脚光をあびている三浦按針ことイギリス人のウィリアム・アダムス(1564~1620)らがいるが、信長に仕えた弥助は徳川家康に仕えた按針よりも早い事例となる。本書は、その心躍る経歴を持

リンク元

コメント

タイトルとURLをコピーしました