『世界史を変えた13の病』(原書房) – 著者: ジェニファー・ライト – 鈴木 涼子による後書き

書評総合

『世界史を変えた13の病』(原書房) 著者:ジェニファー・ライト
新型コロナウイルスによる被害が広がるなか、カミュの『ペスト』をはじめ、疫病を描いた本が多く読まれるようになった。人間はどのように疫病と闘ってきたのかを知るために。2018年に出版され、世界を震撼させた13の疫病の歴史を描いた本書も今ふたたび注目されている。著者は言う。「過去に病気とどのようにして闘ったかを知ることが未来に役立つ」。疫病に敢然と立ち向かった人物に光を当て、歴史書ではあるが読みやすく記述した本書は、いまこそ読むべきだろう。「訳者あとがき」を公開する。
疫病を乗り越えた人類の歴史
わたしたちは抗生物質もワクチンも利用できる幸運な時代に生きている。医学の進歩によって、日本人の平均寿命は男女ともに80歳を超えた。だが、人類は長い歴史を通じて、予防法も治療法もわからない、大勢の健康な若者の命を奪う疫病に苦しめられてきた。過去の勇敢で賢明な人々がそれと闘ってきた結果いまがあるが、エイズが発生したのはほんの数十年前のことだし、20世紀に猛威を振るったスペインかぜや嗜眠性脳炎の治療法もまだ見つかっていない。今後また新たな恐ろしい病気が流行する可能性は常にあり、疫病は決して過去のものではない。疫病が発生したとき、それにどう対処するかでその後の展開が大きく変わる。医師や科学者、政治家の役割は重要だが、わたしたち一般市民も恐怖や偏見にとらわれずに、冷静な行動を取らなければならない。本書の著者は、過去に世界を脅かした12の疫病(アントニヌスの疫病、腺ペスト、ダンシングマニア、天然痘、梅毒、結核、コレラ、ハンセン病、腸チフ

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