『神の聖なる天使たち −−ジョン・ディーの精霊召喚一五八一〜一六〇七』(研究社) – 著者: 横山 茂雄 – 柳下 毅一郎による書評

書評総合

『神の聖なる天使たち −−ジョン・ディーの精霊召喚一五八一〜一六〇七』(研究社) 著者:横山 茂雄
ディーとケリーの絡みのなかに存在した「この世ならぬひとつの光」
占星術師ジョン・ディーと霊媒エドワード・ケリーが挑んだ天使召還儀式を読み解く
エリザベス女王の占星術師として知られたジョン・ディーは、数学、天文学、光学、地理学、航海学などの研究で名を馳せた16世紀英国の碩学である。だがその後半生は汚名と疑惑にまみれたものだった。ディーは1581年よりエドワード・ケリーという若者をスクライアー(霊媒的存在)として使い、精霊との交信を試みたのだ。ケリーは水晶玉の中にあらわれた「天使」から膨大なメッセージを受け取り、それは『精霊日誌』としてまとめられた。「天使」の姿を見たのはケリーだけで、ディー自身はほとんど何も見ていない。したがって、多くの人がディーは詐欺師ケリーに騙され、迷妄に落ちたと見なしたのである。だが、それは本当にそうだったのだろうか?『神の聖なる天使たち』の著者である横山茂雄は、かつて『何かが空を飛んでいる』(現在は『定本 何かが空を飛んでいる』国書刊行会)で、現実と妄想のあわいを飛ぶUFOについて語っている。映画についてということなら、脚本家・監督の高橋洋との対談集『映画の生体解剖』(洋泉社刊)が、映画の外の超越的なるものが映画に侵入する瞬間について論じて孤高の存在である。また別の名ではJ・G・バラードの『残虐行為展覧会』(工作舎)の翻訳も手がけている。横山茂雄が興味を向けるのは、いわば、ひとつの光である。この世とあの世のはざまから目もくらむ光が差しこみ、見た人間の脳を灼

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