『冬雷』(遠田潤子)_書評という名の読書感想文

小説の書評と感想
『冬雷』遠田 潤子 創元推理文庫 2020年4月30日初版

冬雷 (創元推理文庫)

因習に縛られた港町。12年前、名家を襲った失踪事件。事件で全てを失った青年が辿り着いた、悲劇の真相とは? 人間ドラマの名手が贈る、濃密な長編ミステリ! 第1回未来屋小説大賞受賞作。(創元推理文庫)

2016年、大阪で鷹匠として暮らしている夏目代助のもとに、かつて住んでいた魚ノ宮町から三森龍が現れた。龍の妹の愛美は代助に恋慕した挙げ句、3年前に自ら死を選んでいた。その恨み言をぶつけに現れたのかと身構える代助に、龍は 「ちょっと面白いことになってな」 と思わせぶりな言葉を残して去る。翌日、代助のもとを警察官が訪れる。12年前に行方不明になった代助の義弟・千田翔一郎の遺体が、魚ノ宮町の鷹櫛神社の氷室から見つかったというのだ。どうやら、第一発見者である加賀美真琴が疑われているらしい。代助が18歳で町を離れる原因となったあの出来事が再び動き出した・・・・・・・。彼は12年ぶりの帰郷を決意する。

- ここまでが導入部。物語の核心は以後語られる2000年以前の魚ノ宮町にあります。

代助は両親の顔も名も知らない。夏目代助という名も、産婦人科の前に捨てられた時に横に置いてあった夏目漱石の小説 『それから』 の主人公に因んだものだ。施設で11歳まで育てられた彼は、1998年、魚ノ宮町の旧家 「冬雷閣」 の当主・千田雄一郎の養子として引き取られる。鷹匠の家系である雄一郎は、代助を厳格な態度で養育する。雄一郎の弟・加賀美倫次は鷹櫛神社の神主となっており、その娘が巫女の真琴である。

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