『悪徳の輪舞曲(ロンド)』(中山七里)_シリーズ最高傑作を見逃すな!

小説の書評と感想

『悪徳の輪舞曲(ロンド)』中山 七里 講談社文庫 2019年11月14日第1刷

悪徳の輪舞曲 (講談社文庫)

報酬のためには手段を選ばない悪徳弁護士・御子柴礼司の前に、妹・梓が三十年ぶりに現れる。梓の依頼は、旦那殺しの容疑で逮捕されたという母・郁美の弁護だ。悪名高き 〈死体配達人〉 が実母を担当すると知り動揺する検察側。母子二代に亘る殺人の系譜は存在するのか? 「御子柴弁護士」 シリーズの最高傑作! (講談社文庫)

※(初読みの方に) 希代のダークヒーロー・御子柴礼司とは -
およそ三十年前の十四歳の時、彼は幼女を殺害し体の部位を幼稚園の玄関や神社の賽銭箱の上に放置するという、世にも忌まわしい猟奇事件を起こします。報道は地域のみならず日本全国に及び、彼は “死体配達人” という悪名をもって恐れられることになります。
医療少年院で初めて罪を自覚した彼は、本名の園部信一郎から 「御子柴礼司」 と改名し、その後司法試験に合格し、弁護士となります。以来、彼はどんな悪党でも弁護し、依頼人を救うために時に違法行為にも手を染め、無罪や執行猶予を勝ち取った上で莫大な成功報酬を要求する悪徳弁護士として名を馳せています。

さて、「御子柴弁護士」 シリーズの最新刊 『悪徳の輪舞曲(ロンド)』 は、

第一作、元少年A 「悪魔の弁護人」 誕生の物語 『贖罪の奏鳴曲 (ソナタ)』 に始まり、
第二作、御子柴対名検事、因縁の対決 『追憶の夜想曲 (ノクターン)』 、
第三作、恩師の殺人容疑にかかる法廷劇 『恩讐の鎮魂曲 (レクイエム)』 と続き、

いよいよ、再婚した母・郁美の夫殺害容疑の弁護人となるに至ります。

なんというめぐり合わせ。御子柴はかつてない動揺を隠せません。断ち切ったはずの長い時を経て、彼は加害者家族が抱える葛藤、燻り続けた遺恨の正体を、はじめて知ることになります。

あらすじは、こうです。
医療少年院に入ってからおよそ三十年、完全に没交渉状態だった妹の梓が弁護士事務所に現れ、母親の郁美が再婚相手を自殺に見せかけて殺害した容疑で逮捕されたと聞かされる。

加害者家族として世間から迫害される日々を送り、せっかくの結婚話も御子柴の事件が相手の家に知れて破談になった梓は、御子柴に積年の憎しみをぶつけながらも、郁美の弁護を依頼する。他の弁護士たちは、郁美が “死体配達人” の母親だと知るや、尻込みして断ったため、他に選択肢がなかったのである。

三十年間、家族の生活を想像もせずに生きてきた御子柴は、自分でも思いがけず動揺する。
御子柴は普段通り感情を排して弁護しようとするも、「手足が見えない枷をはめられたように抵抗し」 「かつてないほど当惑」 することになる。(解説より)

※主人公のキャラクターはまるで違うのですが、最近読んだ中では柚月裕子のリーガル・サスペンス 「佐方貞人」 シリーズ(『最後の証人』 『検事の本懐』 『検事の死命』 『検事の信義』) と並ぶ面白さ。正真正銘、読む手が止まりません。

夜更かし注意! よそ見厳禁

この本を読んでみてください係数 85/100

悪徳の輪舞曲 (講談社文庫)

◆中山 七里
1961年岐阜県生まれ。
花園大学文学部国文科卒業。

作品 「切り裂きジャックの告白」「七色の毒」「さよならドビュッシー」「闘う君の唄を」「嗤う淑女」「魔女は甦る」「連続殺人鬼カエル男」他多数

Source: 小説

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